エベレストの山頂にひるがえりし旗,南極点にひるがえりし旗,月面にひるがえりし旗。さて,OS Xの大地に突き刺さる旗は,どれほどの風に靡くのか。
マクロメディア社は,マックOS用のファイヤーワークス4とドリームウェーバー4を発表した。さらに,マックOS X版も準備中とのこと。その2つに加え,フラッシュ,フリーハンド,ディレクター,ショックウェーブなどすべての製品のOS X版を,OS Xが正式版となり次第,すぐにリリースする予定だ。
マックOS Xの公開ベータ版を彷徨い歩いて,どれくらいたったのだろうか。ある意味では,もう何十年も使い続けたかのように動作が身体に刻み込まれてもいれば,まるで小学校1年生が算数の教科書を開いたようにたどたどしいときもある(オプションキーを押しながらメニューをおろすと「再起動」が現れるのも今日知りました(^_^;))。だが,改めて云う必要もないことだが,既存マックOSと比べて,ソフトウェアの不足,ドライバの不足は隠せない。クラシック環境でソフトは動くが,ドライバはいかんともしがたい。私の環境では,ビデオの入力や,サウンド入力ポートの使用,USB接続のCD-R,MP3プレイヤーのRioなどが使えないので,結局,OS 9で立ち上げ直す機会が多い。
実際,OS Xは,そのフレキシブルさが,あまり大げさに売りにすべき点でもないのだが,売りにしても恥ずかしくない点でもある。クラシックは,立ち上げの時間をちょっと我慢すれば,まったく違和感なく過去の遺産を保ち続けられる。「あんなことにマシンの能力を使うなんて…」と誰もが思うドックの動きも,描画エンジンのクォーツの力をまざまざと感じさせ,サポート最低ラインのマシン(G3 MT233)でも,ストレスはない。それはそうなのだが…。やはりOS X対応のソフトウェアを待ちたい。それもできれば,カーボンではなく,ココア。マクロメディア,アドビ,クォーク,MSらは,既存アプリのカーボン化が目標となっているが,どの会社のソフトも,コードを1から考え直してもいい時期にきているソフトがいっぱいある。「私たちは,ココアでソフトウェアを作る」と宣言してくれる大手ソフトメーカーが現れれば,そこがこの新大陸で最初に到達旗を立てられる,と云ってもいい。それは金もかかるし,時間もかかることだろう。だが,マックユーザーはこれからとても遠い未来まで,この大地で生きていくのだ。そして,その旗が風に靡く姿は,その企業にとって大いなる,栄誉ともなろう。
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